野鳥観察U            (62)
2004年5月15日(土)晴れ

 昨年の6月に裏の枯れかけた桜の木に赤ゲラが巣を作っていてそれを発見したケイト氏は毎日毎日観察に夢中になっていたものである。そして今年は4月の終わりごろから「近所ではもう赤ゲラがコンコンやっているけれど裏には来ないのだろうか」と心配していたのであるが数日前から昨年と同じ木に飛んできているのを目撃したから大変である。ところが昨年子育ての真っ最中に台所の窓から観察しやすいようにと枝を切ってしまったのが悪かったらしく今年は見えにくいように反対側に巣をつくられてしまったのである。敵も然るものである。その用心深さには恐れ入ってしまった。それでも巣に出入りするのは見ることが出来るのであるがこれをなんとか写真に撮りたいとMrs.ケイトは思い立ち早朝にカメラを持って挑戦してみるが人間の姿を見ると決して巣に近づかないのである。家の中から見ているときには大胆に出入りしているのにである。こんな時には望遠レンズのカメラがほしいとつくづく思う訳であるがいくらカメラが良くても腕が付いて行かないのはわかっているので手持ちで撮れる範囲で我慢しなくてはならない。そんな訳でとにかく近づいて撮るためにはどうするか。一番の問題はハチ姫なのである。Mrs.ケイトが朝外をうろうろすると自分も一緒に遊びたいと甘えて鳴きはじめるのである。仕方がないのでまず一番にハチ姫をお散歩に連れ出しそのまま表のベランダにつないで一旦玄関から家の中に入りそれから裏口からまた出て行くという厄介な手順を踏まなければならないのである。そんなことまでして朝露の中じっとカメラを構えているのに未だ一枚も撮れないでいるのである。そんなある日お客さまを送り出したとたん体中の力が抜けたようになりどうにもこうにも動けない。お腹もシクシク痛いのである。何とか後片付けを済ませて寝ていたのであるが一向に良くなる気配もない。しかし今日もお客さまがいらっしゃるので病院へ行く時間もなく夕食まで寝ていたのであるがどうやら風邪のようである。今年は玄米ごはんや野菜ジュースなどで健康に気を使い一度も風邪をひかなかったので油断してしまった。毎朝肌寒いくらいの時間にじっとカメラを構えて朝露で濡れた木に腰掛けていたのがいけなかったようである。 「やはり野に置けれんげ草」ではないが自然のものは自然で見るのが一番。写真を撮ろうなんて思ったのが間違いのもとであった。そう思って巣を見ていると周りには人間だけではなくカラスやリス。もっともリスは肉食ではないけれど下には蛇などといった外敵がうじゃうじゃいる訳で赤ゲラにしてみれば子育ては細心の注意をはらってもまだ足りないということがわかったのである。今は無事に子育てを終えて巣立っていってほしいと祈る気持ちでいっぱいのMrs.ケイトである。

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