海洋酵母パンに挑戦!!(53)

2003年1月14日(火)晴れ

 今でこそ朝食用の自家製パンとデザートはMrs.ケイトの担当ということになっているがそもそもパンやお菓子作りをちゃんと勉強した訳ではないのでここまで来るのに試行錯誤いろいろな本を読み自分にあったレシピを見つけるまではそれなりに大変だったのである。と書けばかなり努力した風に聞こえるかもしれないが実は本の中からなるべく簡単で原価も安く美味しそうなパンを見つけるまでが大変で見つかればあとはその通りつくるだけで結構焼けてしまうものなのである。そうして現在のパンに落ち着いたわけであるがどれもドライイースト使用なのである。それなりに美味しいのであるがやはりいつかは天然酵母で焼いてみたいと思っていたところに海洋酵母なるものがあり欲しい人には分けてもらえるという話である。こうなると後先も考えず早速申し込んで見るのがMrs.ケイトである。と一週間もしないうちにクール宅急便でその海洋酵母なるものが届いたのであるが中を開けると酵母菌が入っていただけで何の説明書もないことに唖然としてしまったのである。何しろ天然酵母を使ったこともないのにいきなり海洋酵母である。どうしたものか思案していてもはじまらないので手持ちの本の中から星野天然酵母の使い方なるページを探し出し三分の一だけその通りにやってみる事にした。まずは酵母菌を水で溶いて30時間かけて発酵させなければならないのであるが溶く水の量もわからずどうなったら発酵終了なのかもわからないままにそれこそ試行錯誤のままパン焼きはスタートしたのである。ケイトのオーブンはいたって原始的で温度計もタイマーもなくただガスの調節と感に頼るしか方法がないのでケーキや微妙な焼加減を必要とするものは今まで母屋のオーブンで焼いていたのである。しかし天然酵母のパンは卵や牛乳やバターなどはあまり使わず比較的砂糖も少なめで雑穀や豆やゴマなどといったものを混ぜた素朴なパンにしたほうが合うようなのである。そうなると焼き方もそれほど神経質に何度何分としなくてもいけそうな感じである。発酵には確かに時間がかかるが酵母菌はほんのりと甘い匂いがして期待に胸が膨らんでくる。今回はライ麦粉を入れたカンパーニュと砂糖と塩だけの食パン二種類に挑戦してみる。酵母の量も適当にあっちの本こっちの本をひっくり返しながらも一次発酵二次発酵が終わりいよいよあとは焼くだけである。火をつけっぱなしだと強すぎて焦げてしまうので点けたり消したり付きっきりである。そのうちあたりに香ばしい匂いが漂ってきた。待ち遠しいがどちらもパンが大きいのでじっくりと焼かなければならずじっと我慢の子である。待つこと40分。ちょっと表面が焦げたがついに海洋酵母パン第一号が焼きあがったのである。早速ケイト氏と試食をしてみると表面は少し固く歯ごたえがあって中はしっとりと味に深みがありドライイーストでは出せない本物の味とはこういうものかと思うほどの出来栄えである。ケイト氏も珍しく絶賛している。こんなパンを毎日お客さまに出せたら良いと思いつつも焼き上がりまでに4時間弱かかってしまうことを考えるとおいそれと片手間で出来るものではないのである。しかも酵母菌は生き物なので扱いが難しい。当分はたっぷり時間のある冬場限定ということになりそうである。

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