人生の先輩に脱帽(30)2000年10月1日(日) 曇りある朝お客様がハチ姫を連れてお散歩に出かけたのであるが30分ほどすると大慌てで帰ってきた。興奮していて口も聞けない状態なのだ。なんとか呼吸が整うのを待って話を聞いてみるとハチ姫が死体を見つけたというのだ。それも二人だという。さあそれからが大変。まずはケイト氏が警察に電話をかけて。………と書くと驚かれたと思うが実はこれケイトのお客様が書いた小説のひとこまのお話なのである。この作者は定年退職されて暇が出来たので小説を書いてみたというのである。それがついに完成し一昨日送られてきたものだから、昔から推理小説代隙人間のMrs.ケイトは封を切るのももどかしく手書きの原稿を一気に読んでしまった。その出来栄えたるやとても素人とは思えないほど筋も展開もきちんとしているのである。主人公は偶然に2度も死体を発見してしまい警察から疑われてしまうのである。しかたなく身の潔白を証明する為に自ら犯人捜しをするといった筋立てになっている。しかも小淵沢近辺や武川村など近在の見どころがリアルに描写されているのと主人公もご本人そのままといった感じで設定に無理がなく自然体でどこまでが小説でどこまでが実生活なのかわからないほどである。が、なぜかケイト氏だけは記憶力も良くてきぱきとしていてかっこよく書かれているのだが。と小説の内容はさておき、仕事一筋で定年を迎えると目的がなくなって急に老け込んだりするという話を聞くがこのご夫婦はお二人でドライブに出かけたり奥様がお花大好きなのでお庭の手入れをしたりと毎日の暮らしを楽しんでいてそれが小説にも反映されている。 話は変わるがこの夏お客様のご縁で甲斐小泉に住んでいる92歳の人形作家と知り合いMrs.ケイトはとても感銘を受けたのである。人形の家に飾られたお人形はそれはそれは表情や仕種がかわいくて見ているだけで心優しくなれるのである。着ている着物は明治・大正などの古い布地であるが色や柄は今みても古さを感じさせない素敵な物ばかりである。中には江戸時代の物もあるという。けれど何といっても作者のお人柄が素晴らしい。92歳というのにとても若々しくてお話が楽しいのである。人形の家は別棟の二階にあって私たちが伺うと自ら鍵を持って案内してくださるのであるが階段の上がり下りもまったく危なげがないのにも驚かされてしまう。最近は仏像を作っているというので見せていただいたのであるがそのお顔がまたとてもかわいらしくて想像していたものとは違うのである。そもそもお孫さんの為に作ったのがきっかけということであるが人に教えてもらったのではなく独学で自分の世界を築き上げているのである。 年令や職業に関係なく輝いている人は身近にもたくさんいるものである。そうした人生の先輩達と出会えたことに幸せを感じているMrs.ケイトである。 |