Mrs.ケイトのひそかな楽しみU(19)

1999年9月4日(日)  晴れ

 Mrs.ケイトのひとり言を書き始めて早いものでもう一年が過ぎてしまった。最初のうちは話題がたくさんあって書く事が楽しかったのだがだんだん種が尽きてしまい月二回のペースは維持すら出来なくなりつつあるこの頃Mrs.ケイトは他人の文章が少し気になってきたのである。昨年の今ごろにも書いたのだがケイトの客室の思い出ノートをお掃除の合間に読むのが楽しみであったのだがここに来てもはや楽しみというよりは参考書をみるような具合なのだ。というのも人の書いた文章はみな良く見えてしまいそれに比べて自分の文のなんとお粗末なこと。なんだか急に恥ずかしくなってしまったのである。特に夏はお子様連れのお客様が多くとりわけ子供の素直な気持ちが書いてあるといたく感動してしまいますます我が身を恥じ入ってしまうのである。

 あるページには

   料理もおいしい。人よし。

 これだけである。しかし言いたいことははっきり伝わってくるではないか。 ううむ。文章とはこうあらねばならないのだ。いやこれは果たして文章といえるのか。いやいや読み手に訴えるものがあればそれで良いのではないか。自分も物を書くといえば一応書いている訳でありなぜ書くかといえば要するに自分の思っていることを誰かに伝えたいということなのだから単語の羅列だけでもかまわないではないか。いや単語だけでは文章とはいえないのではないか。気持ちが伝わることが大切なのであって文法は二の次で良いのではないか。などなど考えはじめると今まで恐いもの知らずでつたない文を書いていたMrs.ケイトはこのまま書き続けるべきか止めるべきかそれが問題だと今更ながら悩みはじめたのである。

 それでもお客様の書いたノートを見るのはやはり楽しみであり今日もお掃除の合間にゆっくりと椅子に腰をかけて読みはじめたのだがますます悩みは深まるばかりのMrs.ケイト。果たしてひとり言は続けることが出来るのであろうか?

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